ダカーポという雑誌を暇つぶしによく読んでいるのですが、それにこの本がとても良いという記事が載ってました。
普通は文庫でないとなかなか手を出さない私ですが、その記事に突き動かされ、とうとうesBOOKSで購入してしまいました!
(このシステム非常に便利なのですが、エロ本を買っていつと思われそうでイヤだ)

この本のあらすじ。
家政婦(私)とルート(息子)と80分間の記憶しか持つことが出来ない数学者の交流。
それでこの本なのですが、もう…いいっ!
飛びぬけたシチュエーションも無ければ劇的なクライマックスも無く、誰が死ぬわけでもない、地味な作品かもしれないけど、ひとつひとつの言葉が繊細で愛に満ちてるというか切なくなってあったかくなりました。
数学が苦手な私ですが、この本を読んでみて、数学もっとちゃんとやっていればよかったあ〜とかなり思いました。
数字に意味や愛情を持つって不思議だけど、この本を読んでいたら自然と理解できてしまいそうになりました。

テレビのニュースを見ると、この世の中はなんて荒れ果ててるんだと思います。毎日悲しいニュースの繰り返し。殺人とか暴力とか。
みんな自分以外は敵だ、みたいな気持ちになっているんじゃないかな。
だけど、まるっきり他人同士だけど、人を思いやる気持ちが自然とあふれている。お互いがお互いを尊重してほんの少しの幸せな時間を作り出すような、そんな隠れ家みたいなほっこりとした愛に満ちた世界があってもいいんじゃないか、と思います。
80分しか記憶できない数学者の悲哀を、黙って見つめ、毎朝の「はじめて」の出会いに笑顔を。

私の人生においてとても大切な本になりました。

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